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【Special Piece】Early 20th Century FRENCH ARMY M1895 BOURGERON JACKET / アンティーク フランス軍 リネン ブージュロン ジャケット

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スペシャルな一枚、フランス軍のブージュロンです。

素材がオールリネンで前身頃はフルオープン、胸ポケットは一つという仕様の Modèle 1895 です。M35に似た1938年のモデルとともにブージュロンを代表する型であり、稀少性は相当に高いコレクターズピースです。

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スタンプが判読できないので年代を特定しかねますが、遅くとも1930年代以前のお品ではあります。そして、年代物であるため保管にともなう大小の汚れが諸所にあるものの、いまだ水が通された形跡はないのでデッドストックであるとおもわれます。ダメージもなく生地もしっかりしています。かなりよい状態の一枚です。

個人的にモーターサイクルではM35が、ブージュロンではM1895がフランス軍でもっとも美しいデザインのジャケットにおもえます。

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細部のディティールは、大きなガゼットで補強された肩、細かくギャザーの寄った袖など、20世紀初頭のベル・エポック期のシャンブルリネンスモックとよく似ています。素材もそうしたスモックくらいの厚みのリネンで、はじめはぷるぷるとしていながら次第にてろてろとしていく特有の経年変化をいちばん愉しめる生地感だとおもいます。ライニングもないのでダイレクトに肌に馴染んでいく、着用者の体形に沿った経年変化をしていくことが醍醐味です。リネン偏愛者にはたまらないです。

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着用者は170cm / 62kgです。

袖丈だけ余ってしまいますが、着丈がちょうどよいので無理なく着ることができました。さほど大きいという感じはしません。やはり雰囲気が尋常ではなくよい服です。汚れもとてもよい味となっています。これはやはりたまらない、じぶんも一枚欲しいなとおもってしまいます。

 

ところで「ブージュロン」は作業用ジャケットの総称ですが、しばしばその発音やカナでの表記が云々されます。つまりは “bourgeron” をなんと読むかという問題で、フランス人でも地域によって異なるようなので厄介です。わたしはフランス語はほとんど分からないのでとくに何も云えませんが、地域語は措いて標準語で考えると「ブフジュホン」と発音するのがしっくりくるような気がしています。けれどもカナで書くとなんとなく間が抜けてかっこよくありません。

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今日まで延び延びとなっているものの近くそろそろオンラインストアを設けようと考えているので、こちらはそこにお出しする予定でいます。私物にしたいのは山々ですが。

 

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