フランスの古いファーマーズパンツです。
ストライプの渋い色味の一本で、1940年代から50年代にかけてのものとおもわれます。
ポケットは両脇と時計隠しの三つで、後ろにはダーツが入っています。無駄のないすっきりとしたデザインでとても美しいとおもいます。古いパンツですがシンチバックではなく、もともとついていたサスペンダー釦は外されたようです。共布のベルトループが必要最低限の三箇所にだけ縫われています。十字のメタル釦や細めのフックといったパーツも非常によい雰囲気があります。
全体的に状態がよく、生地もしっかりとしています。かなり張りが強い厚みのある素材なので綿にすこし麻が混ざっているのかもしれません。裾などにあるわずかなダメージもハンドリペアされています。ちなみに裾のテープはぐるっと一周にわたって手縫いされています。量産されたメーカー品ではない素朴なオーダー品としての味を端々から感じることのできるよいパンツです。
着用者は170cm / 62kgです。
ちょっと太めに履けるぴったりのサイズです。ウエストはベルトなしでもぎりぎり大丈夫、レングスはちょうどですこし捲ってクロップドにしてもよさそうです。小さ過ぎず大き過ぎない好サイズなので多くの方に履いていただける個体かとおもいます。履き心地も着こなしも実にイージーなお品です。
フランスのよいパンツをみつけたときにありがちなのですが、私物にしたいという欲求が強く涌いています。そんな好き勝手をしていたら商売にならないので涙をのんで売りに出すか、あまりないことですが代わりに私物を一つ手放すとするか、いまちょっと悩んでいます。よいなとおもって仕入れているだけに愛着が湧き過ぎるのも困りものです。
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