こちらは私物で、フランス軍のM35ジャケットです。
一つ前のブージュロンの記事でも言及したのですが、1935年から38年までのわずかな期間のみ採用されていたモーターサイクルジャケットとなります。
ここ最近とくに注目されているモデルであり、国内ではほんの一年ほどで市場価格がにわかに上がったようにおもいます。
もともとほとんど出てこないために稀少さは非常に高かったものの、高額なモーターサイクルと云えば後継のM38が定番でした。それが現状では状態のよいM35にM38と同程度の値が付けられるようになっています。ついにきたか、という感じです。
こちらは十数年前に、当時でもそこそこのお値段のものをひと目惚れして衝動買いした一枚です。昔も今も、それこそ小さめのサイズのものは滅多に出てきませんが、こちらに関しては測ったようにぴったりだったことが決め手となりました。その後もこれ以上に着心地のよいM35とは出会えていないためもう手離すことができません。
生地はとてもよい手触りのリネンです。ぷるぷる、もしくはてろてろといった触感です。つくりも非常に丁寧で、ライニングは袖の内側まで張られています。脱着の際に引っかかったりもするのですが、着ている間のおさまりはよいです。モーターサイクルなので襟を立てると風も入りにくくなり、寒い日でも安心して着ることができます。
着用者は170cm / 62kgです。
わたしが麻の沼、亜麻の地獄にはまってしまったきっかけの一枚です。非の打ちどころがないジャケットにおもえます。
[Related Post]