近年の C.P. COMPANY のテーラードジャケット二点です。
こちらは2009年秋冬、伝家の宝刀と云える〈ガーメントダイ〉が施されたモデルです。
コットンナイロンの現代的な素材でありながらすこし和紙にも似た質感となっています。皺の入り方もよいです。後染めのふしぎな深い緑も相俟って、製造も国内の純イタリアな C.P. COMPANY らしい製品ですが、どことなく日本的な印象を受けます。塩縮加工のシャツで知られる愛知県のブランド、山内をおもわせるようなジャケットだなと個人的には感じました。薄手で軽く、内ポケットが三箇所にあるなど機能的にも優れたとてもよいお品です。わたし自身もかなり気に入ってしまいました。
こちらは2008年秋冬のモデルです。
生地はベルベットなのですが、コットン62%に対してラミー38%が混紡されたかなりめずらしいベルベットです。わたしははじめてみる、触れたことのない素材でした。ベルベットなので特有の柔らかさがあるのにラミーの張りとざくっとした触感も共存しています。服飾のマニアでなければとくに関心を惹かれない点かもしれませんが麻好きとしては非常に興味深い素材であり、やはりマッシモ・オスティ系のブランドは生地そのものがおもしろいなと大いに感心させられました。袖のボタンがなく、裾のポケットもフラップではなくパッチなのでよりカジュアルに羽織ることのできるブレザーです。こちらもきちんとイタリア製です。
どちらも2ボタンで着回しやすく、そしてどちらも素材にひと工夫あって通好みなジャケットにおもいます。ともに近くオークションに出品予定です。
https://auctions.yahoo.co.jp/seller/chimney1001
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