STONE ISLAND のウールジャケットです。
ここ数年の STONE ISLAND の人気には驚いてしまいます。
いまさらながらに多少の説明を記すと、イタリアファッション界の巨匠にして現代ファッションの革命家とも称されるマッシモ・オスティが自身の代表的ブランドである C.P. COMPANY から派生させる形で1982年にスタートさせたのがこの STONE ISLAND です。ミリタリーとスポーツの色がより濃く、テクノロジーを落とし込んだ新時代の衣服が評判となって本家の C.P. COMPANY を超える支持を集めて現在に至ります。当初からイギリスを中心に欧州で絶大な人気を誇ってきましたが近年はほんとうに世界的に注目されており、数年前に旗艦店を出したあたりからは日本での人気も沸点に達しつつあるように感じます。
そのデザインが実用性や機能美という視点で語られることも多いブランドながら、たとえば実物のミリタリーの醸す〈用の美〉とは異なっていて、やはりまずファッションとしての美しさに主眼が置かれているのは間違いないとおもいます。グラフィックであり畑違いとは云えマッシモも服飾に携わる以前からデザイナーとして歩んでいた人物なので、とくにシルエットやサイズ感といった部分からしばしば独特の美学を感じます。オーバースペックで前衛的なモデルこそ STONE ISLAND の醍醐味ですが、ローテクにおもえるふつうの素材でふつうに美しい服も多く、普段の古着とも合わせやすいのでわたしはどちらかと云うとそういったモデルの方がより好みです。
あらためましてこちらのジャケットは STONE ISLAND の古着としてもとくに注目されている90年代以前、1999年のお品となります。バッジが緑色に縁取られていたグリーンエッジの時代の最終盤、もちろんイタリア製です。
形としてはカーディガンながらポリエステルとアクリルが混紡されたウールなので厚みがあってかなりしっかりとした生地で、完全に秋冬のアウターです。十分な暖かさがありながらハイネックのカーディガンと同じような着方ができるので非常に使い勝手がよい一着だとおもいます。袖のリブの織り方も洒落ていて、ストリートブランドであっても細部に品があるのがイタリアらしいなと感心させられます。シルエットも色もよく、全体としても上品な雰囲気があります。使用感が少なくダメージや汚れもない良好な状態のお品です。
こちらはもうすこし寒くなったらオークションに出品する予定でいます。
また、よい時期なのでイタリアのマッシモ・オスティ系のものをまとめていくつかお出ししようと考えています。
